伴侶の儀式
伴侶の儀式
【風花】
「!?」
い、いきなり顔を近づけてきて、なんなの……。
それにしても、こうして間近で見ると……なんて整った顔立ちなんだろう。
こんな綺麗な顔をした人間、今まで見たことがない……。
確かに、神だからだとでも言われないと説明がつかないような……。
【碧依】
「資格を得てしまった以上、もはや一刻の猶予もない。邪神が動く前に、俺の判断で手を打つ」
【風花】
「なにを言って――」
【風花】
「んっ!?」
【碧依】
「ん……」
最後まで私に言葉を言わせず、唇を塞がれた。
あまりにも突然で、抵抗することはできなかった。
神を名乗る男の唇は人間と同じく柔らかい。
【碧依】
「ん……んんんんん……」
【風花】
「んくっ」
【碧依】
「口を開けろ。抵抗するな」
【風花】
「と、突然こんなことしておいて、抵抗するなとか……」
【碧依】
「他の男には許したのにか? 俺がどれだけ不快な気持ちでそれを見ていたと思っている?」
【風花】
「あんた、人の私生活をどこまで見て――」
【風花】
「――んんっ!?」
また、不意打ちのようにキスをされた。
大きな声を出そうとしていたため口は半開きで……そこに舌が差し込まれる。
【碧依】
「ん、んんっ……ん、んんん……」
【風花】
「……んっ、んんんっ」
【風花】
(何かが、喉の奥に落ちた……?)
錠剤タイプのお薬を飲み込んだ時のような感触……。
これって……。
【風花】
「はあ……はあ……。あなた……今、私に何か飲ませた……?」
【碧依】
「俺の宝玉の一部をおまえに与えた。すぐに神の伴侶に相応しい身体になるべく、浄化が始まる」
【風花】
「ほ、宝玉? 浄化……?」
ドクン!
【風花】
「ひ――!?」
邂逅
邂逅
【コスプレっぽい男】
「アヤカシめ! その娘を離せ!」
【風花】
「え……」
【洸太】
「……………………」
【風花】
「あなたは……いったい……」
碧依に負けないぐらい派手な格好をした男の子……?
見た目的に鈴芽ちゃんと同じぐらいの年齢……?
この子も顔立ちは整っている方だけど……。
神サマなのかどうかはわからない……。
【碧依】
「何者だ、おまえは……」
【コスプレっぽい男】
「名乗るのは後だ! 早くその娘を解放しろ!」
【碧依】
「人間のくせに俺が見えているということは、陰陽師か……今は神聖な儀式の最中だ、邪魔をするな!」
ああ、この子は人間なんだ……。
その割に、こんな非常識な状況を平然と受けいれている。
陰陽師っていうと、安倍晴明的な……?
【陰陽師?】
「僕は陰陽師じゃない! そんなわけのわからない術をかけて、いったいこの子をどうする気だ、アヤカシ!」
【碧依】
「神サマたる俺をアヤカシ呼ばわりとは……。分際をわきまえろ、小僧!」
【風花】
「あ、あの、守ってくれようとするのは嬉しいけど、あいつ本当に強いから……」
【陰陽師?】
「僕はもっと強いから大丈夫。安心して、お嬢ちゃん」
【風花】
「お、お嬢ちゃん……」
お嬢ちゃんなんて言われたのいつ以来だろう。
実際、今の姿がそうなのだから仕方無いけど。
多分、実際は私の方がかなり年上だ。
【碧依】
「伴侶の儀式の最中に他の男を見るな! どこまでも不埒なやつめ!」
【陰陽師?】
「わけのわからないことを喚くなアヤカシ! 消える気が無いなら、僕がこの手で天に還してやる!」
【風花】
「お札……?」
【碧依】
「なっ!? お、おい、それでどうする気だ、陰陽師!?」
【祓い師?】
「だから陰陽師じゃない、あいつらと一緒にするな! 僕の事は祓い師と呼べ!」
【碧依】
「お、同じようなものだろうが!」
【祓い師?】
「同じじゃない! 僕たちは誇りを持って、やつらとは系譜を分けたんだ。僕たちはあいつら詐欺師と違って本物だぞ、アヤカシ!」
【碧依】
「ま、待て! なんだその札は……余計なことをするな! 今、そんな霊力の強いものを使用したら、どうなると思っている!?」
【祓い師?】
「問答無用!」
【碧依】
「ぬがー!? くそ、身動きが取れない――」
ぺったり。
【碧依】
「ぐああああああああ!?」
【祓い師?】
「よし、これで終わりだ、アヤカシ!」
【碧依】
「い、いかん、この札に力が吸い取られて抑止力が……暴発する!」
【風花】
「え、暴発ってどういうこと!? やめてよ、マシンとかに何かあったら……まだ今週のバックアップ取ってないのよー!?」
【碧依】
「そんなことを心配している場合では……ぬああああああっ!?」
【祓い師?】
「危ない、下がって!」
【風花】
「きゃあああああああああ!?」
……。
敵の敵は味方
異界からの救出
異界からの救出
【碧依】
「!? そこだ!」
【洸太】
「見えた!」
【碧依】
「……っ!」
【風花】
「ひああっ!」
【風花】
「う……あ……」
急な出来事で頭が混乱している……。
えっと、急に足下に裂け目が出来たかと思うと、そのまま落下して――。
そのまま、二人が私を受けとめてくれたんだ……。
【洸太】
「良かった……本当に良かった……」
【碧依】
「手間かけさせおって……」
【風花】
「………………」
嘘……。
本当に助けてくれた。
もうこのまま、帰れないかと思っていたのに……。
【碧依】
「なぜもっと早く俺に助けを請わなかった! おまえが素直に俺の助けを求めておれば、こんなに待たせることはなかった」
【風花】
「ごめん……」
こんな事態になったのは碧依のせいの気もするけど、とてもそんなこと口に出せる雰囲気じゃない。
二人とも、痛いくらいに強く私を抱きしめている。本当に心配してくれたから、手にも力がこもってるんだ。
ああ、罪悪感を覚える……。見捨てられたんじゃないかと、ちょっとでもそう疑ってしまった自分に……。
でも、本当に良かった……。
【風花】
(う……)
安心したら、胸が高ぶってきた。両側から体温が伝わってくる。
こんなふうに、男の人に強く抱きしめられるなんてこと、最近なかった。
まして、二人同時なんて、初めての体験……。
急に恥ずかしくなってきた……。
【碧依】
「おまえ、大人の姿になっているぞ」
【風花】
「ふえっ!?」
ふと自分の手を見ると、子供の指から長い大人の指に……。
【風花】
「え、いや……これは違うから!?」
【洸太】
「うわあああ! す、すみません、決して邪な気持ちで抱きしめていたわけでは!」
【風花】
「コ、コータ君も慌て出さないでよ! そんなリアクションされると、かえって誤解しちゃうから!」
コータ君、耳まで真っ赤になってる。
そんな顔されたら、こっちもますます意識してしまうじゃない……。
【風花】
「ほ、本当にこれは違うから……」
【碧依】
「何が違うのだ。ドキドキしたら大人になる……弁天ちゃんがおまえにかけたのは、そういう術ではないか?」
【風花】
「ううううう……」
【碧依】
「もう認めろ。おまえは、この俺に抱きしめられて、ときめいたのだ。次元に裂け目を入れて助けられた瞬間にな」
【風花】
「ち、違う……」
だめだ、碧依の目を見てられない。
目を見ていると、今の言葉にもうなずいてしまっただろうから……。
【洸太】
「……おい、いい加減にしないか。彼女は違うと言ってるじゃないか」
【碧依】
「ほう。だとしたら、自分にドキドキしていると言いたいのか?」
【洸太】
「なっ!? そ、そうは言ってない……!!」
【碧依】
「そうであろうな。なんの成果も上げてないおまえにドキドキしているなど、厚かましい」
【洸太】
「な、なにが成果を上げなかっただ。居場所を探り当てたのはこの僕じゃないか!」
【風花】
「そ、そうなの……?」
【碧依】
「何を言う、大まかな場所しかわからなかったくせに。助けたのはこの俺、すなわちこいつを大人の女にしたのもこの俺だ!」
【風花】
「なにがすなわちなのかよくわからないし、誤解を生みそうな表現だからやめてよ!」
【碧依】
「……では、この小僧にドキドキしているのか?」
【洸太】
「え、本当ですか!?」
【風花】
「そ、それは……」
【碧依】
「いや、そんなわけはなかろう。おまえのようなへなちょこにときめく女はいない」
【洸太】
「誰がへなちょこだ! というか、貴様じゃないなら僕じゃないか!」
【碧依】
「だから俺だと言っておろうが!」
【洸太】
「だから僕だって!」
【碧依】
「違う俺だ!」
【洸太】
「なら、貴様だ!」
【碧依】
「違う、おまえだ!」
【洸太】
「おまえは僕だ!」
【碧依】
「貴様は俺だ!」
【風花】
「いや、2人もどっちかどっちかわからなくなってるし……」
高い空から
高い空から
【風花】
「落ちる、落ちるーーーー!?」
【碧依】
「大丈夫だ、落ち着け。ゆっくり落ちてるであろう」
【風花】
「あ……」
そういえば、スカイダイビングでパラシュートを広げたみたいな……いや、それよりもゆっくりした速度だ。スカイダイビングやったことないけど。
碧依の神力か何かで、落下速度を抑えているのだろうか。神サマって、そんなことまで出来ちゃうんだ……。
【風花】
「鳥から見える世界って、こんなだったのね……」
【碧依】
「ああ、最高の風景だろ。とくに空を見てみろ。ここから見る星は、見たことないほど綺麗だぞ」
【風花】
「う、うん、綺麗ね……」
ただ、落ち着いて眺めるには、ちょっと……。死の恐怖はなくなったけど、地に足がついていないというのは、すごく不安だ。
……でも、遮るもののない空いっぱいに輝く星は、不安を忘れてしまいそうなくらい綺麗に見えた。
こんな体験を味わわせてくれるのは神サマだけだろう。碧依のおかげで、誰にも出来ないような体験をできてはいるかな。
【碧依】
「おまえは前に、夜景の見えるレストランとやらに男と出かけ、そこから星を見て喜んでいたな。あんなくだらないもので、よくも喜べたものだ」
【風花】
「あ、あれは……。雰囲気で綺麗に見えたというか……。確かに、実際はそんな綺麗でもなかったけど……」
【碧依】
「俺なら、こうしてもっと近くで星を見せることができるのだ。俺のことを見直すが良い」
【風花】
「み、見直すが良いって……。いいけど、やっぱり怖いのはちょっと……」
【碧依】
「そうか。それはつまり、まだ俺を信頼しきっていないということだな」
【風花】
「それはえっと……。そういうことになるかな……」
【碧依】
「案ずるな、俺は守り神だ。どんな状況でもおまえを守る、それが役目だ」
【風花】
「…………」
碧依は私の守り神……。でも、それだけが理由で私を守っているんだろうか……?
静かに落下していくのが、今の私の気持ちと重なるようだ。私を支えてくれるこの手を、信用していいのだろうか……。
全身にキスしてやる
全身にキスしてやる
【碧依】
「ちゅぷ……んん……ちゅう」
【風花】
「はあっ……あっ……はああっ!」
碧依は私の言葉どおり、身体のあらゆるところにキスをする。
肩先やお腹、胸……。
それに、脇とか……もっと、恥ずかしいところまで……。
【碧依】
「ん……ん、んっ……ん、ちゅ、ちゅっ……」
【風花】
「あ……あぁあ……っ!」
碧依の頭が、身体のあちこちに移動していく。
少し動きが止まるたび、優しくてあたたかい感触が肌に落ちて、耳にはキスの音が届いて……。
【碧依】
「ちゅ……ちゅ、ちゅ、んんぅ……ん、はあ……」
【風花】
「はあ、は、あ…あ、あぁっ……! いや、ぁあ……!」
【碧依】
「どうした、おまえがしてほしいと言ったのだぞ……んっ」
首筋にキスしてきたかと思うと、そのまま唇が鎖骨へとすべり、今度は胸元に唇が触れた。
【風花】
「あん! ん、そう、だけどぉ……あっ、あっ!」
【碧依】
「んんっ……ん、ここも、たくさんだ……ん、んっ……」
【風花】
「ふ、ぁあっ! あ……っ」
音を立てて乳房に濡れた感触を残し、そのまま乳首にも……。
触れるだけなのに、碧依の唇の熱が信じられないほど気持ちよく、何度も震えて声が出てしまう。
【碧依】
「ん……ん、ちゅ、ん……ここがいいか……?」
【風花】
「ひゃ、あぁあっ……! あ、あんっ!」
【碧依】
「ちゅ……ちゅ、んんっ、ん……は、ああ……」
キスされるたび敏感に、声が大きくなってしまう。
それが恥ずかしくて声を抑えようと口元に手をあてると、碧依はキスをやめて視線を向けてきた。
【碧依】
「ん……? 我慢など、しなくても良いのだぞ」
【風花】
「だ、だって、こんなの……恥ずかしい……」
【碧依】
「恥ずかしがることなど、何もない……ほら、こんなにも……ん……んんっ……美しいではないか……ちゅっ」
【風花】
「ひゃ、あっ! あ、またぁ……っ!」
乳房を持ち上げるようにして唇で触れていた碧依が、そこからゆっくり唇を移動させて、今度は腹部に何度もキスを落とす。
【碧依】
「ん……んん、ここも……んっ、ちゅっ」
【風花】
「ふぁあっ! あ、そんなとこ……だめぇっ!」
そのまま、おへそのくぼみにまでキスをしてきた。
くすぐったいのに、キスされるたびに身体が快感を覚えて反応し、声が全然抑えられない。
【碧依】
「ふふ……子供のときの肌とは、また違う美しさだな」
【風花】
「そ、そんなの、わかんない……」
【碧依】
「ん……? ただ美しいだけでなく、淫靡な色気がある。ちゅ……ちゅ、んっ……んんっ……」
笑みを浮かべて答えた碧依が、口付けを再開する。
おへそから今度はわき腹へとキスが横に移動し、そこから腕のあちこちに熱が散る。
【碧依】
「ん……んんっ、んっ……は、あ……こうしていると、自然ともっとしてやりたくなる……ちゅ、ちゅぅ……ちゅっ」
【風花】
「あ……あぁあ……!」
【碧依】
「まるでおまえの肌が、俺の唇を吸い寄せているようだ」
二の腕のあたりまで上がってきていた熱が急に遠ざかり、今度は手の甲や指先に唇の感触が伝わった。
【風花】
「あ……あぁあっ……!」
指先に感覚が走ると、今までと同じようにキスされているだけなのに、何だか背中がぞくぞく震えてきた。
【碧依】
「んん……? ん、ちゅぅ、ちゅ……んっ……指先への接吻は、ほかより心地よさそうだな……ちゅ、ちゅぷっ」
【風花】
「や、ああぁ……そんなこと、ないぃ……」
いやいやと首を振って否定はするが、内心では碧依の言葉を認めざるを得ない。
指の付け根から先端までゆっくりキスされるのが、何だかすごく気持ちいい……。
ぞくぞくして、もっとして欲しい……。
全てを乗り越えて
全てを乗り越えて
【洸太】
「はあ、はあ……あ……大丈夫、ですか……」
【風花】
「う、うん……」
コータ君とひとつになれた喜びが大きくて、この感触をもっと受け止めたいって思っている。
この人のためなら、私はどんなことも我慢できる。
私は精いっぱいの笑顔を作って、コータ君に言った。
【風花】
「大丈夫……だから……」
【洸太】
「ああ、良かった……これ以上もう、我慢できそうになくて……」
【風花】
「え……それって、どういう……あ、あっ!」
【洸太】
「んんっ! あなたとこんな風になって……我慢なんて!」
【風花】
「あっ! ふぁあ、ああっ! コータ君……あ、んっ!」
いきなり、コータ君の動きが大きく激しくなる。
悲鳴をあげながら震えていたこの前のが、嘘に思えるほど。
大きく何度も身体を揺らされて、深い場所に届くほど突き上げられてただ声をあげて震えるしかない。
初めてなのに気持ち良くて、身体の奥まで熱く、まるで自分の身体じゃないみたい。
【洸太】
「はあ、はあ……あ、ああっ……! んん……こうして、
ひとつになって……ふたりで、もっと……っ!」
【風花】
「ふぁ、ああっ! あ、あぁあ……激し……コータ君!
あ、ぁああっ! や、あんまりされたらぁあ……っ!」
【洸太】
「ごめんなさい……でも、すごく……気持ちいい……!
こんなの、途中で……はあ、あ……止められないですっ!!」
【風花】
「ひ、あぁあっ! あ、ああぁ……私も、気持ちい……!
あ、あ、あああっ、でも……ふ、あっ!」
思わずいやいやと首を振ってしがみついてしまう。
だけど、それはコータ君の興奮を呼ぶだけだったらしくて、また突き上げる勢いが大きく激しくなった。
身体全部を貫かれるみたいな激しさに揺さぶられて、震えてしがみつくだけで精一杯だった。
そんな私をコータ君はしっかり支えて腰を大きく揺らす。
【風花】
「ふぁああっ……! あ、あぁあっ……コータ君!
は、あ……あ、ひぁあっ! あ、また……奥、ああっ!」
【洸太】
「はいっ! もっと、奥……までっ! っく、う!」
【風花】
「ひゃ、あぁぁあっ! あ、ああっ、また……ひゃ、んっ!」
貫かれるような激しさは大きくなるばかりで、奥深い場所を叩き付けるような動きがずっと続いている。
だけど、それをやめてほしくはない。
コータ君の感触が奥に届くたび、身体は震えて深い場所は何度もひくつき、あふれ出す感覚は止まらなくなる。
運命との決別
運命との決別
【碧依】
「いいから、じっとしていろ……」
【風花】
「そ、そんな……見ないでぇ……」
【碧依】
「しっかり見ておかなければ、どこをほぐせばいいかわからぬだろう」
【風花】
「そ、そうだけど……んっ!」
どうしよう……。
見られてるだけで恥ずかしくて、気が変になりそう。
【碧依】
「ふふ……おまえのここを、こうして見つめる日が来るとは思わなかったな」
【風花】
「そんなこと、言わないで……」
【碧依】
「ああ、そうだな。それよりも……んっ」
【風花】
「あ……あ、んっ!」
【碧依】
「ん……んっ、んんっ……」
優しい、触れるだけの口付けが何度も続く。
碧依の顔が近づいているだけでも恥ずかしいのに、唇が秘部をくすぐるたびに更に羞恥が増す。
【碧依】
「は、んっ……ん、最初はゆっくり……だな。んっ……」
【風花】
「あぁ……あっ! し、知らないぃ……」
私の様子を窺うように碧依は何度も口付けを繰り返して、そのたびに身体は震え、秘部までひくついてしまう。
自分の身体なのに、自分じゃないみたいな初めての反応。
【碧依】
「んっ……ん、ちゅ……ちゅ、んっ……」
それに、伝わる感触だけじゃなくて、時々聞こえる碧依の声や、口付けてる音にも身体が反応してしまう。
【風花】
「は、あ……はあ、は……あぁっ!」
【碧依】
「んんっ、ん……ちゅ、んっ……はあ、あ……」
身体全部が、碧依のすることに反応しているみたい。
恥ずかしいのに、碧依が触れてくれていることが嬉しく、もっとしてほしいって思ってしまう。
【碧依】
「もっと、か……? いいぞ……もっと、んっ……ちゅ、んっ」
【風花】
「あ、碧依……ん、んぅう……!」
考えていることに気付かれたみたいで恥ずかしい。
だけど、碧依が誰よりも私のことをわかってくれている気がして、嬉しいとも感じている。
【碧依】
「ああ、そうだ……もっと俺の名前を呼んでくれ。もっと求めて、もっと素直になれ……」
【風花】
「うん……んっ、碧依……っ!」
【碧依】
「わかっている。安心していろ」
碧依が私のことをわかってくれる、私がしてほしいことをたくさんしてくれる……それでまた、身体が反応し、感情が高ぶっていく。
熱くなった身体の深いところから、溢れ出す感触。
初めてのその感触に戸惑うけど……そうなったのが、碧依とだからと思うと胸がいっぱいになる。
【碧依】
「ん……んん、ん……」
【風花】
「……あっ! や、だぁ……また、そうやって見る……!」
唇を離した碧依がまた秘部をまじまじと見つめる。
その視線に震えていやいやと首を振っているのに、碧依は嬉しそうな表情を浮かべていた。
【碧依】
「すごく綺麗だと思ってな。身体が小さくなったからか?」
【風花】
「し、しらない……っ!」
【碧依】
「ふふふ……そう照れるな。こうしているだけでも愛しいのに、そんな姿もまた、愛しくなってしまうぞ」
【風花】
「そ、そんなことばっかり言うんだから……」
今までと違う碧依の言葉にも身体が反応してる。
もう何をされても感じてしまいそうで、恥ずかしくてたまらない。
淫らな術に流されて
淫らな術に流されて
【風花】
「んん……」
もう、このまま我慢なんて無理だよね。
私もだけど、コータ君も。だったら……。
【洸太】
「な、何をしてるんですか! ふ、服を脱ぐなんて……!」
【風花】
「だって、コータ君辛そうだから……」
服を脱いだ私を見てくれないけど、コータ君がとっくに限界なのはわかってる。
【風花】
「この小さい身体でいいなら……私、コータ君と……」
【洸太】
「だ、ダメです! そんな、そんなことになったらあなたは!」
【風花】
「私じゃ……ダメ? この身体だから? それとも……経験、ないからかな……」
【洸太】
「え……!?」
【風花】
「ごめんね……本当なら年上の私が、リードとかしてあげられれば良かったのに」
【洸太】
「あ、あの、それって、あの……」
【風花】
「ん……コータ君が初めてなの。だから……」
【洸太】
「風花さん……でも、僕があなたを……抱いてしまったら……」
まだ、コータ君が葛藤してる。
だけど、私のために自分の身体を傷付けてまで我慢なんてして欲しくない。
【風花】
「大丈夫。きっと何か方法があるから……今は、何も考えずに、ね?」
【洸太】
「………………………」
【風花】
「コータ君……私も、辛いの……。ここ、見て……」
【洸太】
「……っ!!」
【風花】
「キャッ! あぁあっ!」
脚を開いて、もう濡れている秘部を見せると、コータ君は私の身体を押し倒した。
【洸太】
「風花さん……! 僕は……僕、は……!」
【風花】
「あ……あ、コータ君も……あ、ひあっっ!」
私を押し倒したかと思うと、コータ君もいきなり服を脱いだ。
そして、私の腰を持ち上げたかと思うと、もうすっかり大きくなっている肉棒をあてがい――。
【風花】
「……っん!!」
【洸太】
「あ、はあ……はあっ……!」
【風花】
「あ……あっ! コータ君……コータ君……!」
【洸太】
「ごめん、なさい……こんな、いきなり……っ! でも、あなたがあんな風に……あ……!!」
【風花】
「あ……いい、の……いいの。だって、コータ君……が……!」
自分の中いっぱいにコータ君の感触があるのがわかる。
痛いのか苦しいのか全然わからなくて、だけど嬉しくて仕方ない。
【洸太】
「ああ、またそんな風に……僕の名前を……!」
【風花】
「あ、ふぁあっ! あ、ああっ!!」
興奮した表情を浮かべ、コータ君が腰を突き上げてくる。
その度に奥深いところまで大きな感触が届いて、全身が大きく反応してしまう。
【風花】
「は、あ……はあ、あぅ! あ、あぁあ……!」
【洸太】
「ごめんなさい、こんなこと……んっ! あ、っく! キツ……い、けど……うっ!!」
【風花】
「ふあぁっ! あ、あぁあっ……!」
【洸太】
「は、あ……はあ、はあ……あっ! 本当はずっと……あなたとこうやって……ひとつに……っ!」
【風花】
「え……え、あ、ああっ!」
言葉と同時にコータ君の動きが激しくなる。
奥まで大きくて熱い感触が届いて、たくさんかき回されて身体がヘンになってしまいそう。
そうなっている自分の身体が怖いのに、コータ君とひとつになれて嬉しい気持ちの方が大きいのがわかる。
【洸太】
「ずっと、触れたくて……こうしたくて……でも! 僕は!」
【風花】
「あっ……あ、ぁああっ! は、あ、はあ……あ、んっ!」
また大きく身体を突き上げられて声を上げると、コータ君は手をのばして私の胸に触れた。
そして、ゆっくりと手のひらを動かして感触を確かめるように小さな胸を揉んでいく。
それが恥ずかしくてたまらない。
【風花】
「はっ、あぁっ……! あ、ご、ごめん、ね……こんな……あ、あああっ! この、身体で……っ!」
【洸太】
「どうして、謝るんですか? 僕はこうしてあなたに触れたかったのに……」
【風花】
「だって……私が大人だったら、今よりも胸も大きくて、こんなに苦しいこともなかっただろうし……」
【洸太】
「僕は……あなたが好きなんです。どんな姿でも、あなただからこうやって……求めて、もっと……欲しくなってしまって……!」
【風花】
「コータ君……あ、あぁあっ!」
【洸太】
「ずっと、あなたが……あ、っく! あなただけを見ていたから……だからっ!!」
私だからと伝えてくれた言葉が嬉しくてたまらない。
同時に身体を突き上げられて、奥まで何度も届く感触にただ声が大きくなっていく。
もっともっとコータ君の熱さや感触が欲しくて、まるでねだるみたいに自分の腰が動いているのがわかった。
【風花】
「あっ! ああぁあっ……! コータ君! ん、ああっ! コータ君……私も、ずっと……あ、あああっ!」
そして、私の動きに気付いたコータ君も腰を大きく動かして、今まで以上に大きな感触と熱を与えてくれる。
激しさに流されて、ただされるままに身体を揺らされて、それなのにその全部がコータ君を感じているみたいで嬉しくなる。
もっともっと、激しさと熱さが欲しい。
【風花】
「コータ君……っ! コータ君……嬉し……私、ずっと……」
【洸太】
「はい……あ、ああっ! 僕もです……あなたと、一緒……に、こうやって……んっ! ふ、あぁあっ!」
同じように想い続けていたことが嬉しい。
同じようにひとつになれたことを悦んでいるのが嬉しい。